使用する道具は以下の花鋏と肥後の守です。手の延長として使い分けます。
道具の乱れは心の乱れにつながります。
鋏や小刀の調整も外注に出さず、すべて自らの手で研ぎ直し、手入れを心がけております。

名もなき80年前ほどの花鋏で、私の手元に来た時は錆が全体を覆い、芯がゆるんで
鋏としての機能を奪われた状態でした。しかし、座を抜いて新しい芯をいれ、
砥石にかけ、組み直したことで再び道具としての命が甦りました。
大量消費の時代とは逆を行く作法ですが、これを鍛えた野鍛冶の矜持を心に留め、
本日も 覚悟を以って断ち、活かす、を心得としております。